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【映画】「駆込み女と駆出し男」を大泉洋ファンが観た結果

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駆込み女と駆出し男」を観ました。原田眞人監督作品は初。さてさて。

 

「北海道には大泉洋というバケモノがいる」

本作においても彼は屋台骨かつスーパーエースシン・ゴジラでいうところのシンゴジラ、ダラスマーベリックスでいうところのダーク・ノヴィツキー、東京03でいうところの角田晃広。オープニングからその魅力は爆発。

 

江戸の街を身軽そうに歩く信次郎(大泉洋)。その先には役人に捕らえられ、これから市中を引き回されようとする女義太夫らと大勢の野次馬。時代は老中水野、質素倹約の時代であった。信次郎は、初めは独り言のように、後半はだんだんと感情を抑えられなくなったのか、大声で役人に物申す。そして走って逃げる。

 

「人にはへちまの皮のようにおもわれようが、しいかれんぱい(?)故事来歴。何でもよりどり十九文と並べたてりゃ戯作者の本領。とはいえ役人ばかに出会いては、流しに出ずるドブネズミのごとく尻尾を巻いて逃げ出すばかり!かようの無益のことに日月を費やし候のことたわけのいたり!たわけついでにもう一言、女義太夫風儀取り締まりの次はなんだえぇ!楽しいことは全部悪いことかぁい!!!」

 

セリフの前半は特に、書き起こしてみてやっと意味が分かった。ただ初見時もセリフがリズミカルで聞き心地が良いため不快ではないし、また、意味は分からなくても「曲がったことは許せねぇ!」という信次郎の江戸っ子な人となりが伝わってきた。音楽も相まってまさかのオープニングでジーンときちまった。「探偵はバーにいる」でも思ったけど、あんたいい役もらったなぁ。これだよなぁ。

 

そのあとに出てくる満島ひかりもイイんだなぁ。姉さん喋りというのか、語尾がちょっと上がる感じ?ほんとによかった。ほんで戸田恵梨香もええ。凛としててなぁ。内山理名の女お侍さんもよかったぁ。おじょごの夫もとってもよかったなぁ。

 

本作はギャグは笑えるし、人情モノとしてもグッとくるし、恋愛要素も楽しめる。また、設定とか言葉遣いとか衣装とか細かなところにキャラクターを深く掘り下げた跡が伺え、役者の魅力もかけ合わさることでキャラクターに命を感じられたことが一番良かった。脚本は完璧とは言えないがそんなもん押し切るスピード感とおもしろさ。そして何より本格的な時代劇の空気感と、おもしろいものを作るという志の高さがあった。

 

ブルーレイ買おうかな。