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映画ウォーリアーとその主題歌「about day」

ウォーリアー(2011)

※ネタばれあり

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公開当時、日本ではビデオスルーとなった本作。 

総合格闘技のトーナメントシップを舞台にした、ある兄弟とその父親のお話です。

 

「他人は割り込めない」ことってよくありますよね。傍から見てると「うまくやりゃいいのになぁ」なんて思うことでも、当事者にしか分からないいきさつや思いがあってうまくいかない。周りは当人たちの気持ちを推し量るしかない。

 

本作もそうした人間同士の確執とそこからの邂逅を描くのだが、何だか本人達もそれぞれが持つ感情について理解はしていない様子。本作はその人間の"アヤ"も含めて描き切ってしまう紛れもない傑作。

 

過去に何があったかを映像で見せることは無く、役者たちの会話・表情・身の振り方で観客に登場人物の感情や葛藤、戦う理由を想像させる。しこたま想像させ、舞台を整え、ラストの対決シーンへと持っていくのだ。文字通り「最高潮のクライマックス」をラストに持ってこれるのは、ひとえに製作陣の志の高さがあってこそだと思う。

 

ワンピースに登場する「キング・パンチ」みたいな映画っすね。だいぶ違うか。

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さて本作はウィキペディアの「ストーリー」を読んでもらえば分かる通りの「ドラ泣き」映画なのであるが、主題歌も素晴らしい。

 

www.youtube.com

 

"About Today"

Today you were far away
and I didn't ask you why
What could I say
I was far away
You just walked away
and I just watched you
What could I say

How close am I to losing you

Tonight you just close your eyes
and I just watch you
slip away

How close am I to losing you

Hey, are you awake
Yeah I'm right here
Well can I ask you about today

How close am I to losing you
How close am I to losing

 

この曲は最後の方シューゲイザー的な轟音サウンドになってそこがまさに映画のラストに持ってこられる。ただ、シューゲサウンドを感動シーンに持ってくるって、うまくやらないと「あまりにも」って感じで寒くなる気がする。

 

ただ、「about today」のシューゲイザー的なサウンドはただのギター掻きむしりじゃなく、ベースは曲前半の流れをしっかり踏襲したフレーズだったり、バイオリンが入っていたり、前半の語り掛けるような誠実な曲の印象はそのままに高まるものを表現している。そこが「ウォーリアー」のストーリーテリングのタッチと非常にマッチしている。

 

How close am I と

to losing you の対比も切ないよな。